冠詞について

最近、正しい英文を書くことを意識しているのですが、その際にどうも不定冠詞、定冠詞の使い方に自信が持てず色々本を漁ってました。

英文法の本はどうしても分類学になりがちでどういう用法があるかについての事例集としてはいいのですが、どういう原理原則でどのような時にこうした冠詞をつかうのか、もしくは使わないのかがぼんやりしてしまいます。

実用書でも実際の事例を英文法の本よりは読みやすくまとめたものが多くあまりピンと来ませんでした。その中で、ネイティブの発想に近づいて使い方を書いてある本があったのでご紹介します。

以前から何度も和文英訳教本(文法矯正編)を取り上げましたが、この冠詞の部分も実戦に即していていいのですが、この中で紹介されていた「aとtheの底力」という本があります。
例解 和文英訳教本 (文法矯正編) --英文表現力を豊かにする

aとtheの底力 -- 冠詞で見えるネイティブスピーカーの世界

本のタイトルが若干怪しく本もそんなに厚い本ではないため本屋で手に取ったときに紹介されている本なんだけど大丈夫かと思ったのですが、読み進むうちに非常に良い本である事が分かりました。

冠詞については、a/anと無冠詞、定冠詞をつける場合と不定冠詞/無冠詞の場合がありますが、それぞれについて英米の発想の仕方と使い分けが述べられています。

中学生でも習うように
 a/anは、初出の単数のもの、one、someの代わりになります。
 theは、「相手との間で了解のあるもの」をさします。
 無冠詞は、抽象名詞、物質名詞の場合のように輪郭をつけて他と区別できないものか、固有名詞や身の近くのもののように、分かりきっているもの

が基本的な区別になります。

普通はここから分類学になり、a/anを使う場合の事例、theを使う場合の事例、無冠詞の事例となるですが、この本では、例えばa/anについては、具体性、個別性、輪郭を与えるということから、抽象名詞や固有名詞においてもaがつく場合があると説明があります。具体的には、 the moonのように、月は一般には唯一なのでtheをつけるところ、形容詞をつけて月の状態を区別するときには、「ある、ひとつの状態」というのが出てきてa full moonとできる。a Mr. Brownは、Mr. Brownは、話者に了解済みのブラウンさんですが、この場合は、あるブラウンさんといういことで、「ブラウンさんとかいう人」となる、とのようにアプローチの仕方を示してくれています。

また、話者がどのようなコンテキストでどのようなことを伝えたいのかにより冠詞が変わるために、単語が決まれば自動的に決まるものではないとの指摘があります。具体的には、
 I have chicken. / I have a chicken. ですが、前者は(一塊の輪郭をイメージできない)「鶏肉」を頂く、後者は(具体的な輪郭の与えられた)鶏を飼っている、もしくは余りないですが、鶏丸ごと食べる、になります。
 I like a girl. I like girls. は、前者は、「ある」女の子が好き、後者は「(総称としての)女の子というものはみんな」好きと、なるわけです。

また、日本人と違い、英米人の思考そのものに単数、複数を区別していること、単語は冠詞なしの裸の状態というのはなく、 1)不定冠詞ついている、2)定冠詞ついている、3)冠詞をつけていない(無冠詞)、4)他の類似した機能の語(決定詞)をつけている、というように、英語の場合「決定詞」+「名詞」で一つの意味をなし、この決定詞が、言葉に置ける矢印のような役割をしていて、英語においては不可欠であるという事が示されていました。

よく言われるように日本語は主語や形容詞の懸かり方があいまいでも通じてしまうハイコンテキストカルチャーの言語であり、いい意味では適当に話し手も聞き手が意味を取ってくれる、いわゆる空気を察する、行間を読んでくれるのですが、英語はそもそもその構造がローコンテキストで、一つ一つのことを明示しないといけない言語になっています。
 このため、日本語から英語は、我々にない発想を毎回考える必要があり面倒ですが、英米人はそれを毎回やっているので、思考のフレームワークというか、そのことをきちんと明示しないと気持ち悪くなる言語ということだと思います。
 これが、主語の明示や比較に置ける同列の書き方などに出てくる訳ですが、冠詞においてもどういう状態の名詞なのか印をつけているという感じでしょうか。要は裸の名詞を使う事はなく、裸に見えても「意味があって無冠詞」と考えないといけないという事です。原型動詞がほとんど出てこず、なんかかの活用をしているのと考え方は近いかもしれません。

 これが理解できてから、毎回英語を書くときにここで名詞を置くときには、1)a/an 2)the 3)つけない(もしくは複数)、4)他のsomeとかmyなどつける、を考えてから書くようになり、通例では違うような用法の時にでもこの文脈ではtheはいらない、などの判断ができ、ちゃんとグーグルとかで検索しても同じニュアンスではtheをつけない、などと分かるようになってきました。

こういう観点から考え方、発想を理解して使いこなすというのは大切だと思いますので一読をお勧めします。

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